谷崎潤一郎の「春琴抄」
たとえば、
二人で泣いた
と言う文章だけで、盲人二人の表情や暗闇の夢が広がっていく
端的な文体で
胸が少しずつえぐられていくような
少しずつ傾いていくような感覚
私には分かるはずもない暗闇があったけど
その世界に生きている二人の世界を覗き見するだけでも、映画を見ているようだった
あまりにも完結している。
谷崎潤一郎って、本当に頭の中ですべて作り出しているんだ
だからあんなに色彩があって、リアルなのにものすごくロマンティックで
ブコウスキーの女性描写と似ている部分がある
男の人のリアリティを持ったロマンシズムほど泣いてしまうものはない
本当に好き